人と地球の、美しい未来へ。
持続可能な社会と企業成長の実践のため「SKG-5R」を実践
持続可能社会への貢献
中期経営計画「Make Innovations Stage-II」において、「持続可能社会への貢献」を経営の重点課題に据えています。
2030年のあるべき姿からバックキャスティングで議論を重ね、そのアクションプランとして「SKG-5R」を掲げました。
SKG-5Rとは
積水化成品グループ(SKG)は、2019年度より「SKG-5R STATEMENT」を掲げ、2030年度までに達成する2つの目標を設定しました。
この達成に向けて、従来の3R(Reduce、Reuse、Recycle)に、SKG独自技術による2R(Replace、Re-create)を加えたSKG-5Rを推進し、
SDGsにあげられた地球規模での課題解決に貢献していきます。
Reduce
資源・エネルギー使用量の削減
Reuse
使用材料・エネルギーの再利用
Recycle
再生技術・システム開発による再資源化
Replace
持続可能な素材・エネルギーに置き換え
Re-create
新たな価値や機能の再創造による
環境良化への貢献
▼
SKG-5Rの2大目標
(2030年度目標)
目標1
環境貢献製品の創出と市場拡大
サステナブル・スタープロダクト拡大
100件
50%
目標2
CO2排出量削減
Scope1+2
△27%
(2018年度対比)
「3R」に独自の「2R」を加えた「SKG-5R」を推進し
2030年度目標に向け、環境に貢献するモノづくりを。
私たちの基幹ビジネスである発泡製品は、省資源・省エネルギーに加え、高いリサイクル率を維持しており、創立当初から環境と共生するモノづくりを行ってきました。しかし今、世界規模での気候変動や海洋汚染の深刻さを鑑みると、新たなソリューションを構築する必要があると考え「SKG-5R」に着手しました。
「SKG-5R」とは、従来から取り組んでいる「3R(Reduce:省資源、Reuse:再利用、Recycle:再資源化)」に、当社独自の「2R」をプラスしたモノ。この「2R」は、エラスティルBIOやライトロンBIOなど、生分解・バイオマス由来の製品に置き換える「Replace」と、環境に貢献する新たな価値や次世代製品を創造していく「Re-create」です。
「SKG-5R」を推進するにあたり、2030年までに達成すべき2大目標を掲げています。
SKG-5Rは、例えばこんなこと
Reduceエコで快適なクルマ
機能を落とさず極限まで薄肉化・軽量化する技術
自動車は車体が軽いほど低燃費ですが、近年は搭載機器や衝突安全性を高める部材が追加され、総重量が増える傾向にあります。ポリスチレンとポリオレフィンの複合樹脂発泡体「ピオセラン」や、高耐熱発泡体「ST-Eleveat」は、自動車の要求強度や耐熱性能を満たしつつ、極限まで薄肉化・軽量化(高発泡化)できる素材です。燃費向上・CO₂排出量削減に加えて、安全性の向上にもつながります。
Reuse何度でも使える食品デリバリー容器
繰り返し使用可能にする素材開発や設計技術
発泡プラスチックスは、デリケートな食品の梱包/デリバリー容器として広く使われ、優れた断熱性で食品の鮮度を保ち、高い緩衝性で内容物を輸送時の衝撃から守ります。食品廃棄物の削減にもつながる他、農林水産物の輸出拡大にも貢献しうる素材です。さらに、素材選定と設計技術を工夫することで、繰り返し使用できる「エスレンコンテナ」などのリターナブル容器としても提供しています。
Recycle100%リサイクルできる緩衝・梱包材
リサイクル製品の事業展開とケミカルリサイクル
「エプスレム」は、使用済み発泡スチロールを100%再利用したリサイクル原料で、緩衝材や梱包材を作ることができます。これはマテリアルリサイクル技術によるものですが、品質上、再利用できる回数には限りがあるため、何度でも再生可能なケミカルリサイクルの研究開発も進めています。発泡プラスチックスは100%リサイクルが当たり前、となる日も近いかもしれません。
Replace植物由来のランニングシューズ
持続可能資源(バイオマスプラ)や、生分解プラの活用
シューズのミッドソールには、速く走るための高い反発力と、身体への負担を軽減するクッション性が求められます。「エラスティルBIO」は、これら2つの性能を高次元で両立した熱可塑エラストマー発泡体で、サステナブルな植物由来の素材に置き換えた環境にやさしい製品です。既存製品のパフォーマンスに劣らないと評価され、ランニングシューズに採用されました。
Re-creatより高効率な風力発電システム
「新たな価値」や「次世代製品」の創造
風力発電システムでは、ブレード(羽)が軽いほど無駄なく風を受けられ、発電量を増やすことができます。一方で、遠心力や強風などによる破損を防ぐためにも、丈夫な素材でなければなりません。
「ST-LAYER」(繊維強化プラスチックスと発泡体の複合構造体)は、軽さと強さを兼ね備えた素材です。風力発電のブレードとして採用され、高出力化と発電効率の向上に貢献しています。
環境貢献製品(一例)
熱可塑性エラストマー発泡体
トウゴマを原料とした植物由来素材を使用し、バイオマス度45%以上としたビーズ状熱可塑性エラストマーの発泡成形体です。発泡ポリスチレンのように軽く、ゴムのような弾性とポリウレタンのような柔らかさを併せ持つ「エラスティル」の特長を維持し、石油由来の原料を使った当社従来品と比較して、製品重量を30%削減することができます。
再生原料を100%使用した発泡性ポリスチレンビーズ
廃棄されたテレビ、冷蔵庫などの家電製品に使われていたポリスチレン(PS)部材や発泡ポリスチレン成形品を、独自のリサイクルシステムで回収・原料化した100%リサイクルの発泡性ポリスチレンビーズです。バージン原料を用いた一般の発泡性ポリスチレンビーズに比べ、 原料の生産から製品化までのCO2排出量を62%削減することができます。
100倍発泡体
発泡倍率100倍を実現したポリスチレンビーズの発泡体です。従来の高倍発泡成形品(90倍)に対して重量を更に10%削減した上で、食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度に適合するとともに、可塑剤添加量を36%削減できます。
雨水貯留浸透槽
集中的な豪雨が発生した際などに道路の冠水被害や河川の氾濫を抑制するための雨水貯留浸透槽です。道路の地下を有効に活用できるほか、従来のコンクリート製貯水槽と比較して原料の生産から施工完了までのCO2排出量を57%削減できます。